高級時計の「スーパーコピー」は、正規品に似せた模倣品を指して使われる販売表現です。精巧さを強調する名前でも、ブランドが製造・品質を保証した時計になるわけではありません。写真や「N級」などの表示だけで、本物かどうかを判断しないことが大切です。
また、購入・単純所持・輸入・販売は、同じ行為ではありません。特に、海外の事業者から送付される商標権・意匠権を侵害する模倣品は、個人使用でも輸入できません。すでに購入して偽物を疑っている場合は、時計や取引記録を保管し、購入先・決済会社・消費生活相談窓口に状況を伝えましょう。
スーパーコピー時計の購入・所持・輸入・販売を分けて考える

「偽物を買ったら全員が犯罪になる」「持っているだけですべて違法」と一括りにすると、税関での輸入規制と国内の行為を混同してしまいます。まず、問題になっている行為を整理してください。
| 行為 | 区別すべき点 |
|---|---|
| 国内で自分用に購入する | 購入したという事実だけで、販売行為と同じ処罰を受けると一括りにはできない。偽物と疑ったら取引資料を残して相談する。 |
| 国内で単に手元に持つ | 自分用の単純所持と、販売・譲渡などを目的とした所持は区別する。所持品を安易に出品して処分しない。 |
| 海外事業者から送付を受ける | 商標権・意匠権を侵害する模倣品は個人使用でも輸入不可。国内の通販サイトで注文しても海外発送の場合がある。 |
| 事業として販売・輸入する | 権利侵害として取締りや罰則の対象になり得る。販売目的の所持も単純所持とは別に扱われる。 |
商標法第37条では、商標を付した一定の商品を譲渡・引渡し・輸出のために所持する行為などを侵害とみなしています。千葉県警の案内も、販売譲渡や販売のための所持を説明しています。個人名義の出品なら問題がない、偽物と明記すれば売れる、という意味ではありません。個別の法的な扱いは、目的や取引実態も含めて確認が必要です。
個人使用でも海外事業者からの模倣品は受け取れない
税関の水際取締りの案内によると、2022年10月1日以降、海外事業者から郵送等で送付される模倣品は個人使用でも輸入できません。一方、この規制について、輸入者に事業性がなければ罰則の対象にはならないとも説明しています。「輸入できない」と「受取人が必ず刑事罰を受ける」は分けて理解しましょう。
偽物だと知らずに注文した場合や、少量の場合も、輸入が認められる保証はありません。税関Q&Aは、数量にかかわらず認定手続が始まり得ること、知らなくても侵害物品と認定されれば輸入できないことを案内しています。海外旅行の携行品など別の状況まで、この送付規制と一律に扱わず税関へ確認してください。
スーパーコピー時計を疑ったときの相談手順

時計と取引の証拠を残す
まず、届いた時計、箱、付属品、配送伝票を保管します。比較画像だけで断定したり、自分で分解・加工したりせず、届いた状態の写真を残しましょう。「怪しい気がする」のか、購入先や専門窓口から説明を受けたのかも分けて記録すると、相談先へ経緯を伝えやすくなります。
- 販売画面:URL、商品説明、本物・正規品などの表示、価格、販売者情報、返品条件を保存する。
- 取引記録:注文番号、購入日、支払額、決済明細、発送・受取日をまとめる。
- やりとり:メールやメッセージを日時・送信先が分かる形で残す。
- 現物:時計・箱・保証書・配送伝票を一緒に保管し、相談前に捨てたり売ったりしない。
購入先と決済会社に状況を伝える
購入先に、注文番号、説明と異なる点、返品・返金を求める内容を文章で伝え、返信も保存します。フリマやモールを使った場合は、運営窓口にも取引番号を伝えて手続を確認してください。返送を求められても、特に海外への返送は輸出入の規制に関わるため、自己判断で発送せず相談先へ確認しましょう。
国民生活センターの支払方法別の対処案内も参考に、カード払いならカード会社へ早めに連絡し、取引資料を示して対応可能な手続を確認します。販売者と連絡が取れない場合は、その事実も伝えます。銀行振込など別の支払い方法でも、利用した金融機関・決済事業者へ相談してください。返金の可否や必要資料は取引ごとに異なるため、必ず戻るとは限りません。
対応に迷ったら、消費者ホットライン188・消費生活相談窓口へ。購入日、販売者、支払方法、時計が届いているか、税関から通知があるかを最初に伝えると、相談内容を整理できます。海外事業者との取引か分からない場合も、そのまま説明してください。
税関から通知が届いたら期限と担当窓口を確認する
税関で侵害の疑いが見つかった段階では、侵害物品かを確認する認定手続が行われます。通知が来たことだけで、すでに最終判断や刑事罰が確定したという意味ではありません。通知書の貨物・担当部署・回答期限を確認し、不明点は記載された税関へ問い合わせてください。
侵害物品ではないと主張する場合には、裏付けとなる書類の提出が必要です。認定手続の公式案内を読み、購入明細や販売者との記録を準備しましょう。「個人用」と書けば受け取れると考えたり、事実と異なる説明をしたりしないでください。
また、税関は購入代金を返金する窓口ではありません。税関への回答と並行して、販売者・決済会社への連絡を進めます。国民生活センターの模倣品トラブル案内にも、通知から認定・没収に至る流れが掲載されています。
スーパーコピー時計のトラブルを避ける購入前の確認
外見の細部や販売ページの写真だけで本物と決めず、販売者と取引条件を確認しましょう。極端な安さや希少品の在庫表示は、購入を急ぐ理由ではなく、確認を増やすきっかけになります。
- 販売者の名称・所在地・電話番号が確認でき、問い合わせ先が実際に機能しているか。
- ブランド公式の店舗情報から確認できる販売店か。公式を名乗るサイトは、広告リンクだけで判断しない。
- 発送元はどこか。日本語サイトや円表示でも、国内発送とは限らない。
- 税込総額、保証の提供者、返品・返金の条件が注文前に読めるか。
- 保証書の写真や「鑑定済み」の一言だけで判断せず、説明に不明点があれば注文前に質問する。
スーパーコピーを名乗る時計は、名称を変えてもブランドの正規品にはなりません。購入前なら注文を止めて確認し、購入後に疑ったら現物と資料を残して相談する。この順序を取れば、販売・返送などで状況を変える前に、取れる対応を確認できます。
